通信会社サファリコムがモバイルマネーエムペサに借り入れ機能を導入。
https://www.businessdailyafrica.com/corporate/companies/Safaricom-rolls-out-M-Pesa-overdraft-facility-to-all-its-users/4003102-4926744-10pejsc/index.html
ケニア発のモバイルマネーの雄、エムペサが、支払いや送金機能だけでなく、ついに借り入れ機能を追加しました。
経済の底上げにはファイナンスは必要不可欠で、今回のエムペサの動きでエムペサ利用者の一般層のキャッシュフローが回り出すと、これまた面白くなりますね。
記事によると、
エムペサユーザーは口座の残高が不足しているときに、送金または商品やサービスの支払いができるようになりました。
昨年11月に行われたエムペサユーザー200万人に当座貸越機能を導入した。
また、エムペサとデータサービスが、半年の純利益を20.22%増の315億シュルに増やしたこともあり、モバイルマネーサービスを利用して収益を伸ばすことの重要性を強調しています。
Fulizaを使用すると、エムペサユーザーは、土曜日に公開されたサービスを通じて、トランザクションの価値に応じて、最高で50,000シリングもの当座貸越を得ることができます。
とあります。
50,000シリングは、日本円で約54,000円(1/21現在)。
一見、最高の借り入れ額としては少なく感じるかも知れませんが、ケニアでの平均月収は、日本の約1/8だそうですから、50,000シリングは、日本人感覚では約40万円くらいになると思います。
記事の中にあるFulizaというのが、昨年11月にサファリコムによって発表された新しいサービスの1つで、借り入れ機能のこと。
エムペサは主に一般の個人ユーザーの利用率が高いと言われており、私の勝手な想像では、Fulizaを通して借りたお金は、主に生活資金に使われるはず。
日本ほど収入機会が安定していないケニアでは、その貸し倒れリスクが心配になります。
アフリカで小口融資で有名なのには、マイクロファイナンスというものがあります。
このマイクロファイナンスは貸し倒れリスクを軽減させるために、いわゆる連帯責任制を導入しており、それが上手く機能しています。
Fulizaはその点、貸し倒れリスクをどのように捉えているのかなと記事を読み進めると、取引履歴のアルゴリズムに従って、貸付け可能金額を決定するとのこと。
なるほど、先進的ですねー。
エムペサは既に歴史がありますので、その蓄積されたデータに基づいた与信ができるんでしょうね。
さらによく読むと、超過額の利子として1日あたり0.5%を支払うことになりますと。
利率は1日あたり0.5%、ということは、10日で5%、1ヶ月で15%。
日本の消費者金融とほぼ同一ですね。
ということは、そこそこ貸し倒れはあると見込んではいるものの、過去の取引におけるアルゴリズムデータに割と高い自信があるのかな?
このエムペサによるファイナンスが、地域経済にどのような影響を与えていくのか、楽しみですね。