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アフリカFTA発効、期待と残る構造課題
※2019年5月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版より
https://www.ft.com/

アフリカ大陸全体を包括する自由貿易協定が30日発効した。

域内貿易の不足など根深い経済問題への対処に向け、アフリカにとって大きな一歩となりそうだ。

アフリカ55カ国の国内総生産(GDP)は合計3兆ドル(約330兆円)以上に達し、人口は増加中で若年層が多い。

新協定「アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)」の推進者は、協定発効でさらに経済成長が進むと話す。

しかし、協定の実施には大きな障害が残る。

とりわけ、重要な詳細項目が定まるまでは、協定は基本枠組みにとどまり、実際の力はない。

協定の立役者である国連アフリカ経済委員会(ECA)の前委員長カルロス・ロペス氏は、最終合意実施までに少なくともあと3年はかかると話す。

加盟国は目下、原産地規則や知的財産、紛争解決メカニズムの詳細をめぐる交渉に着手したところだ。

「(合意に向けた)勢い、意欲、スピード感はどれも保証付きだ」とロペス氏は胸を張る。

「とはいえまだ軟弱な協定で、多くの作業が必要だ」AfCFTAは、関税の90%を撤廃し、モノとサービスの自由な移動が可能な単一市場の形成を目指す。

52カ国が署名済みだが、アフリカ最大の経済国ナイジェリアは強力な製造業界のロビーや労働団体の圧力を受け、保留している。

重複する既存の8地域貿易圏とも調和させる必要がある。

(アフリカの地域協力機構である)アフリカ連合(AU)のアルベルト・ムチャンガ貿易産業委員は、「加盟国に伝えているのは、歴史を振り返るとアフリカ経済は小さく、バラバラな状態だった、ということだ」と話す。

これはアフリカの経済成長を妨げる障壁の根幹のひとつで、AfCFTAが根絶しようとしているものだ。

協定が対処しようとする主要課題には以下のような点がある。

(1)ほとんどの貿易圏に比べ域内貿易規模が小さい

輸送距離の長さ、貧弱な道路・鉄道網、煩雑な通関手続きが原因となり、アフリカ各国間の貿易は他地域の大半に比べ遅れている。

域内貿易額は21世紀入りする前後の時期以降、増加傾向をたどってきたが、それでも南米南部共同市場(メルコスル)以外に規模で勝てる貿易圏はない。

AfCFTA発効で(貿易規模は)東南アジア諸国連合(ASEAN)の水準に近づき、大陸全体で活性化するとの期待は大きい。

だがビジネス界には、各国政府の政治的意思を懐疑的に見る向きもある。

「(協定の最終合意に達しても)中身が実現することは決してないだろう。自由貿易圏などというものが成り立つわけがない」。

コートジボワールやケニアに投資しているモロッコの製造業グループ、リッチボンドのカリム・タジ社長はこう言ってはばからない。

「貿易協定が実際に機能するには、実行する意欲がある政府が必要だ。関税収入を手放しても構わないと考え、物流網を整備する気がある政府だ」

(2)各国とも大陸外との結び付きの方が強い

アフリカ大陸のインフラは植民地時代の宗主国への原材料輸送専用につくられた。

1950年代以降、アフリカ各国が独立していったあとも、その基本構造はほとんど変わっていない。

例えば、ナイジェリアにとっては隣国のベナンと取引するより、米国との貿易の方が簡単だ。

AfCFTAの発効で最大の障壁の一つである関税が撤廃されれば、アフリカ域内の貿易のハードルがいくらか下がると期待される。

だが大半の国が域内よりも域外の貿易相手に目を向ける原因となっている、インフラ不足という問題は解決されない。

英銀大手スタンダードチャータードのアフリカ・中東チーフ・エコノミスト、ラジア・カーン氏は「(サブサハラ=サハラ砂漠以南=経済で)支配的な資源採掘産業に目を向けると、インフラが全生産物を世界の他地域に搬出するためだけにあることが分かる」と話す。

(3)輸出品の付加価値が小さい

アフリカ大陸は、自国産業に用いる原材料を求める欧米諸国や中国、ロシアによって原材料を搾り取られ続けている。原油、鉱物、食料や綿を含む農産物は大陸の外へ出続けている。

だが貿易額の42%を製造・加工品が占めるのは、アフリカ域内貿易で数少ない明るい面だとロペス氏は指摘する。

AfCFTAの発効で域内貿易が活発化していけば、トマトペースト、石油製品、プラスチック、鉄筋など加工品の付加価値が高まる可能性がある。

アフリカ産製品が中国などの安価な輸入品に対する競争力をつけるため、自由貿易協定にローカルコンテンツ(現地調達)規制が付随するだろう。

(4)対内直接投資は世界一少ない

アフリカへの直接投資額は、アジア向けの10分の1以下だ。AfCFTAの計画立案者は、アフリカでは人口が若くて増加ペースが速く、中間層が膨らんでいることと併せて、統一市場が生まれることで、投資先としての魅力が増すと期待する。

アフリカ全域での事業に意欲を示す企業の多くが、小さな市場を見限り、ナイジェリアやエジプト、南アフリカなど経済大国に照準を合わせている。

統一性のある貿易圏ができれば、輸出や投資の決断がしやすくなるほか、投資家に規模の経済のメリットをもたらしそうだ。

英国の開発資金調達機関CDCグループのアフリカ部長、テンバイト・エルミアス氏は「我々にとって最大の課題の一つは、投入したいと思う資本を吸収できるようなレベルの事業を展開している企業を見つけることだ。そうした事業レベルには、より規模の大きい市場へのアクセスが欠かせない」と話す。

By Neil Munshi,Tom Wilson and Heba Saleh
(2019年5月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2019. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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