新説・人類誕生はアフリカ南部の塩原 DNA分析で
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO51847250W9A101C1000000
以下、一部記事引用
アフリカ南部の内陸国ボツワナに、マカディカディ塩湖と呼ばれる場所がある。
まるで白い粉に覆われたように乾燥した大地が広がる、世界最大級の塩原だ。
だが、およそ20万年前は、緑が生い茂る豊かな湿地帯だった。
この古代のマカディカディ・オカバンゴ湿地帯こそ、現生人類(ホモ・サピエンス)誕生の地であるとする研究が、2019年10月28日付けで科学誌「Nature」に発表された。
(中略)
現生人類の祖先が正確にアフリカのどこで誕生したかについては、長い間議論されてきたが、いまだ結論は出ていない。
この研究に対しても、一部の科学者から批判が出ている。
(中略)
ヒト科の系統樹は、アフリカに深いルーツを持っている。これまでで最も古いヒト属(ホモ属)の化石は、東アフリカで見つかった280万年前のあごの骨だ。
私たちホモ・サピエンスが現れたのは比較的最近のことで、少なくとも26万年前には枝分かれしていたとする研究がある。
しかし、それがアフリカのどこで起こったかは、議論の対象のままだった。
(中略)
古代DNAの研究は続いているが、最近では多くの研究者が、現代アフリカに住む人々の遺伝子の多様性に注目するようになった。
ミトコンドリアDNAの最も古いルーツのひとつは、アフリカ南部に住む人々の間に多く見られる。
中でも特にその割合が高いのが、コイサン人と呼ばれる狩猟採集民族だ。
彼らの話す言語には、子音にクリック音が含まれる。
これまでヘイズ氏ほか多くの研究者が、人類の起源についての手がかりを探るために、コイサンの人々を調査してきた。
だが今回の研究は、ミトコンドリアDNAの起源を一カ所に絞り込むことが目的だ。
遺伝子記録の空白部分を埋めるため、ヘイズ氏の研究チームはナミビアと南アフリカに住む198人からDNAを採取した。
その中には、コイサン人もそうでない人々も含まれていた。
これに、過去に集められたデータを合わせた計1217人分を、民族と言語によってグループ分けし、地理的な分布図を作成した。
さらに、そのDNAに基づいて、20万年前までさかのぼる系統樹を作成した。
その結果、最初のホモ・サピエンス集団はおよそ7万年の間、一カ所に留まっていたことがわかった。
当時の気候を分析したところ、ボツワナにあった広大な湿地帯が、彼らが住むのに適していたことも明らかになった。
(中略)
進化の図があまりに複雑になり、最近の多くの研究者たちは、人類がひとつの地域から誕生して世界中に広がったという説を見直し始めている。
むしろ、人類はアフリカの複数の地域で進化したと考えるようになった。
まるで網目模様に流れる川のように複雑に入り組み、分かれたり再び交わったりしながら、やがて様々な遺伝子が混じり合ってひとつの大きな流れとなり、私たちの血液の中に息づいている。
今回の研究の著者たちも、複数の場所から人類が誕生した可能性を認めているが、それを示すデータさえ十分にはないと、ガーバン医学研究所の統計遺伝子学者で論文共著者のエバ・チャン氏は言う。
そして、最新の研究は進化の歴史を描いた絵の空白部分を埋める学際的な試みであると話す。
「だからと言って、今完全な絵が描かれたわけではありません。今後も多くのデータが出されて、この絵も変化し続けていくでしょう」
とあります。
研究者の中でいまだに議論は続いているようですが、やはりアフリカが人類のルーツだという線には変わりないようですね。
このボツワナのマカディカディ塩湖に行ってみると、どんな気分になるんだろう。
何かDNAの記憶が軽く呼び起こされて、どこか懐かしい感じになったりするのかな?
一度アフリカに住むと、またアフリカに行きたくなるというのは、アフリカの生活体験をした人のあるあるでもありますが、その感覚もDNAの記憶の一部なんですかね。
🍀🍀🍀🍀🍀🍀
ポチしていただけると喜びます(≧∀≦)