英電力スタートアップXlinksが、モロッコで発電した電力を英国に送電する世界最長の海底電力ケーブルの敷設を計画。(アフリカニュース)

記事によると、
Tesco Plcの元責任者は、モロッコの再生可能エネルギー源から英国に追加の供給をもたらす世界最長の電力リンクを構築する事業計画の一部だと述べています。
Xlinksは、3,800キロメートル(2,360マイル)の距離をカバーする160億ポンド(219億ドル)の海底プロジェクトを建設する計画を打ち出しました。
モロッコの10.5ギガワットの大規模な太陽光発電所と風力発電所から電力を受け取り、英国の他の相互接続装置とは異なり、英国にのみ電力を供給します。
このようなリンクは、さまざまなリソースを持つ国からの電力にアクセスするために不可欠であると見なされており、英国は2030年までに相互接続容量を3倍にする計画です。
政府は、国際的な価格変動に対して脆弱なガスに代わる再生可能容量を増やす必要性を指摘しています。
最近のエネルギー危機は代替供給の必要性を浮き彫りにしました。
Xlinksの創設者兼最高経営責任者であるSimonMorrish氏はインタビューで、「私たちはこれを遠隔発電として取り組んでいるため、これは英国のエネルギー市場専用です」と述べています。
「それは完全に異なる気象パターンを持ち、相関関係がない地域から来ているので、英国のエネルギーシステムに非常に大きな回復力を提供します。」
Xlinksによると、このリンクは700万戸の英国の住宅に供給できる可能性があるといいます。
テスコの元CEOであるデイブルイスとACWAパワーのチーフであるパディパドマナサンは、リーダーシップチームの一員です。
Xlinksプロジェクト
Xlinksの3.6ギガワットのプロジェクトは、Electricite de FranceSAのHinkleyPointC原子力発電所よりも大きいです。
風力と太陽光の容量は5ギガワットのバッテリーと組み合わされ、必要なときに蓄えられた電力を英国に送ることができます。
政府は、再生可能エネルギーや大規模なインフラプロジェクトに差金決済取引の資金調達メカニズムを使用しています。
Xlinksは、英国に送る電力として1メガワット時48ポンドを求めていると述べています。
これは、政府がヒンクリーに合意した価格の半分強です。
ルイス氏によると、同社はCFDアプリケーションの準備をしている間、プロジェクトについて政府と話し合っているといいます。
同社は、必要なケーブルを製造するために少なくとも2つの工場を建設することを計画しており、既存の会社がケーブルを建設するのを待つよりも迅速になるとモリッシュ氏は語りました。
このプロジェクトは、2023年の決算まで全額出資されています。
Xlinksは、2025年にケーブルの敷設を開始したいと考えており、前半は2027年に、残りは2029年までに終了することを目標としています。
とあります。
モロッコは北アフリカの国で、ジブラルタル海峡で隔てられているものの、スペインとほぼ隣接。
(ジブラルタル海峡のモロッコ〜スペイン間は約57km。ちなみに福岡〜韓国釜山間は約200km、新潟県佐渡島の本土との最短距離は約32km。)
そのスペインを超えて、ポルトガルもフランスも超えて、モロッコで発電した電力をイギリスに送電するプロジェクト。
モロッコの地理を生かした風力発電と太陽光発電という再生可能エネルギーを送電するSDGsにも合致した動き。
世界最長の海底ケーブルを敷いてまでしても、イギリスで風力や太陽光発電設備を建設するよりも、コスト的にも排出ガス的にもいいんでしょうかね。
モロッコ的には発電施設の建設やその後の運営で雇用も促進されるでしょうし、アフリカにボランティアではなくビジネスをという観点からもいいプロジェクト。
ちなみにこれを日本に置き換えて考えると、モロッコ〜イギリスは直線距離で約2600km。
日本から2600kmくらいと言えば、東京からの直線距離が台湾の台北で約2100km、フィリピンのマニラで約3000km。
フィリピンも最近、再生可能エネルギーにも力を入れてきていることから、フィリピンへのビジネス支援も兼ねて、同様のプロジェクトは不可能ではなさそうです。
電力インフラは安定した事業でもありますので、このような国際協力や新興国支援もいいですね。
(アフリカニュース)